朝のラジオ番組で言っていました。夏にリクエストの多い歌第3位はキャンディーズの「暑中お見舞い申し上げます」、第2位は松田聖子さんの「青い珊瑚礁」、では第1位は?サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」です。

昭和53年に発売されたこの曲は、サザンオールスターズが2018年12月31日平成最後の紅白歌合戦で歌い、場内は最高潮に達したのです。

振り返るにこの楽曲が発売された当時は、空前の好景気でした。高度経済成長の真っ只中です。これまでちょっと暗めの曲が多かった日本の歌謡曲の中で異彩を放ち、サビの部分は社会現象になるほど流行りました。

ところでシンドバッドって何?と思われる方も多いかもしれません。シンドバットはアラビアの「千夜一夜物語」の中の「船乗りシンドバットの物語」の主人公である船乗りです。アラビア語で“インドの風”を意味し、インド洋航路の交通網を舞台に活躍したイスラム商人なのです。

でもなんでシンドバットが日本の夏の海、茅ヶ崎に登場するの?そのヒントはもう一つの歌にあるのかもしれません。「勝手にシンドバット」より一年前に発売されたピンク・レディーの4枚目のシングル曲「渚のシンドバット」です。阿久悠さん作詞のこの曲もやはり日本の夏の海が舞台となっています。

シンドバッドはイスラム商人でお金もあるし、船乗りということで勇猛果敢、女性にモテないはずがありません。それを傍目から見ている主人公は魅せられていきます。

日本に行けばモテるぞってなもんでしょうか。翌年勝手にシンドバットがやってきたのです。それもナンパしに。今のスマホ世代の若者にはわからないと思いますが、「今、何時?」っていうのが当時ナンパするときの第一声だったのです。

Sindibaad, the sailor man, is rich and brave, travels around the world, who might be very attractive to Japanese young ladies.

いずれにしても7つ海をかけめぐる男というのはかっこいいものです。
日本の男にもいました。これまた古い、太平洋戦争直前の東南アジアを支配する某国の軍事機関、彼らと結託する死の商人や秘密結社、スパイ国と戦う冒険活劇です。