私の主食はビールでした。20歳の頃から飲み始めて、つい最近まで毎日欠かさず2ℓ~3ℓ飲んでいました。目の前に並んだビールの空き缶を見て、まず疑問がわいてくるのです。

“どうしてビールはたくさん飲めるのに水はたくさん飲めないの?”

水はせいぜい頑張っても1ℓ飲むのがやっとでしょう。明確な定説はありませんが、胃から分泌されるあるホルモンが関与しているのではと考えられています。胃の出口、幽門に存在する細胞からガストリンというホルモンが分泌されます。

ガストリンの主な働きは、胃の運動の促進・胃酸分泌促進・ペプシノーゲン分泌促進・胃壁細胞増殖作用・インスリン分泌促進作用などがあります。

ドイツ・エッセン大学などの研究によって、ビールにはガストリンの分泌を促進させる効果があることが明らかになっています。ビールを飲むことで胃の排出効果が高まり、結果としてたくさん飲めるという可能性が考えられるのです。

冒頭、私の主食はビールでしたと申しました。やっぱり2~3ℓもビールを飲むとお腹がいっぱいになる。するとご馳走が食べられない。これはもったいないと考えるようになったのが最近です。そこでビールは700㎖だけにして、何を飲もうか?

さて数十年前になりますが、スッポン鍋を初めて頂いた時、最初にスッポンの生き血が登場しました。そこには泡盛が入っていました。血というものはしばらく外気にふれると凝固するもの、だからいつまでも固まらないのは不思議、だからもしや泡盛には血をさらさらにする成分があるのではと勝手に思っていました。

浅部伸一先生監修、葉石かおりさん著の「酒好き医師が教える最高の飲み方」に書かれています。血液ドロドロの状態はやがて血管の内皮細胞を傷つけ、そこに血の塊を作る。これが血栓と呼ばれるものです。そして動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞といった死に至る重篤な疾患を引き起こすのです。正常な体であれば、血栓の溶解に関わる酵素、t-PAやウロキナーゼといった物質が血管内皮細胞から分泌されて、血漿内に含まれるプラスミノーゲンという酵素に働きかけて活性型プラスミンというタンパク質分解酵素を作り出す。これが血栓を大きくしていくフィブリンを分解し、血栓を溶解していきます。そして実は“焼酎(特に芋焼酎)”と“泡盛”にt-PAやウロキナーゼの分泌・活性を促す効果があることが実験でわかったのです。

Awamori alcohol beverage, Okinawa’s specially, may prevent blood from clotting, therefore, if drinking moderately, it could reduce the possibility of suffering from intractable diseases, such as cardiac infarction or cerebral infarction, and so on.

もしかして血栓予防になるかも?と思い、最近は泡盛をせっせと頂いています。でも、泡盛はアルコール度数が高い。皆さん適量にしておきましょうね。

そして時々日本酒も味わっています。以前にお話ししたかと思いますが、日本酒は多くのアミノ酸がバランス良く含まれています。特に冬の寒い時の超熱燗が大好きです。
その点は八代亜紀さんと少し違います。