私の医院でよく目につくこと、それは?呼吸器科を標榜しているのでコロナ感染から何週間も経つのに咳が未だに止まらない。
咳喘息?アレルギー?原因はよくわからない。現時点ではコロナウイルスが肺胞上皮や内皮細胞に入り込み、血管周囲の炎症や免疫学的にダメージを与えることが示唆されています。だから対症療法しかない。
その他にも様々な後遺症が。WHOでは新型コロナの長期後遺症post-COVID19(Long COVID)を「新型コロナ発症から3ヶ月(少なくとも2ヶ月)続き、別の診断では説明できない症状と定義しています。」(2021年10月6日)
そしてコロナウイルスは私たちの呼吸・血管・消化をコントロールする神経にもダメージを与えると考えられるようになってきました。

Study links nerve damage with long-COVID traits
(The Japan News)

そしてTime誌からの報告です。
マサチューセッツ州の50才の女性、2020年3月高熱・咽頭痛・胃腸障害・味覚障害で発症。その後7ヶ月間、頭のもやもや感・関節腫脹・頻脈・悪寒・倦怠感が続き、Long COVIDと考えられました。不思議にもワクチン接種で少し症状が改善したものの、それでも辛い症状が残り、自分自身で症状管理をしている状態です。長い長い戦いです。
最初の発症から2年経過しているのにLong COVIDのスクリーニングテストを今年の7月まで待たなければならない。そして2021年11月に受けた検査を神経内科医が説明するのが今年の10月です。圧倒的に医療スタッフが不足しているためLong COVIDを診ることのできる施設がまだまだ足りない。Long COVID、Long Wait なのです。現在やっと各州に一施設というところまできたようです。

最近当院にも頭がぼーっとする・だるい・ドキドキする・全身が痛い等不定愁訴を訴えられる方が多くなっています。すぐにコロナとは結びつかないような症状ですが、もしかしたらLong COVID なのかもしれません。日本でもLong COVIDのケアをする施設を増やすことが急務なのです。

アメリカのあるカップルは思いやりのあるケアによって回復しました。一時は二度とハイキングなどできないだろうと暗澹なる思いになっていたそうです。
一人が言います。“もし私に何かできるなら、これは治療で治りますよ、そして気分もよくなりますよ、と皆に確信をもってもらうことです。”

 

For a while, the couple thought they might never feel well enough to enjoy activities they loved like kayaking, biking, and hiking, which led to some “dark days.”
“If I could do anything, it’s to ensure that the news gets out that this is treatable, and you can feel better.”
(Time誌)

 

長く続く辛い後遺症、もしかしたら失恋して北の宿に泊まっている女性の気持ちに似ているのかもしれません。

 

都はるみさんの「北の宿から」です。

あなた変わりはないですか
日ごと寒さがつのります
着てはもらえぬセーターを
寒さこらえて編んでます
女ごころの 未練でしょう
あなた恋しい 北の宿

あなた死んでもいいですか
胸がしんしん泣いてます
窓にうつして寝化粧を
しても心が晴れません
女ごころの 未練でしょう
あなた恋しい 北の宿