例年であれば高熱・悪寒を訴え多くの方が外来に来て下さる。検査しないでもこれはインフルエンザだなと一目でわかるのです。
でもこの2年間、コロナ禍でインフルエンザと思われる方がいない。いないというよりゼロなのです。何故なのでしょう?
理由として、①コロナ対策でマスク・手洗いが徹底していることや、宴会や集会が減って人との交流が減ったこと、②ウイルス干渉という現象が起こり、コロナによってインフルエンザの増殖が抑えられているということ、③海外との往来がほぼなくなり、インフルエンザウイルスを持ち込む人がいなくなった、などが挙げられます。
もし、マスク・手洗いで減ったのであれば、コロナは今でも第6波ということを考えるとコロナはインフルエンザと同じレベルではない。もっと強いウイルスということになります。

次にウイルス干渉とは?あるウイルス(コロナウイルス)に感染すると、それに対する免疫応答が起こり、他のウイルスに感染しづらくなる。ウイルス同士で宿主の奪い合いをして勝ち負けがでている状況です。ここでもコロナウイルスが勝っています。
ということはコロナウイスが最強か?でもインフルエンザに対して、私たちはここで手綱を緩めるわけにはいかないのです。なぜなら2009年新型インフルエンザ(A/HINI型)が日本をはじめとして全世界に拡大し、パンデミックを起こしました。インフルエンザウイルスは変異を続け、虎視眈々とコロナウイルスに対し復讐を狙っているのです。
では復讐といえば?同居している相手の浮気に気づき、バスルームに口紅で伝言を残して家を出る、あの人のママに会うために列車に乗って。彼のママに彼に浮気をしたことを叱って欲しい、そんなストーリーがありました。

ルージュの伝言は、ユーミンこと荒井由実さんの5枚目のシングルで、1975年2月に発売されました。1989年に公開されたジブリ映画「魔女の宅急便」のオープニングテーマソングに起用されているのであらゆる世代で人気の曲です。浮気な恋をはやく諦めない限り家には帰らないというメッセージです。
インフルエンザウイルスもコロナに浮気され、もう戻らないと思っているのならそれはそれでいいことです。いずれにせよコロナもインフルエンザもない普通の日常がはやく戻ってくるのを願いましょう。

Since COVID-19 erupted 2 years ago, we have never seen any flu patients. But, I am afraid revenge of new variants of flu virus might be imminent.