オミクロン株の感染拡大が止まりません。
重症患者は少ないものの、数が増えれば病床は逼迫する。そして私たちの医院でも3回目のブースター接種が始まります。

でも正直な気持ち、今ピークなのにどれだけの効果があるの?遅くない?そして無料検査に希望者殺到、キットが不足して検査が受けられない検査難民が続出しているのです。

そこで政府は私たち医師に特別な権限を与えようとしているのです。濃厚接触者で発熱、あるいは風邪症状のある人は医師がCOVID-19の診断を検査なしにできるようにするというものです。でも、医師にそれを求められても、超能力でも持っていない限り無理というものです。

Infection confirmation without tests to be OK’d
The government has announced new measures concerning outpatient care for people infected with the novel coronavirus, including allowing doctors to diagnose close contacts as infected without conducting a PCR test at a medical facility if the contact has a fever or other symptoms.
(The Japan News)

超能力といえば、1961年 手塚治虫さんの作品で「ふしぎな少年」というのがありました。町内のわんぱく小僧グループ、アンパカ組に属するサブタンこと大西三郎はごく普通の少年でした。

サブタンはアンパカ組の代表にされそうになり、それを断ると罰として工事中の暗い地下道をひとりで通り抜けることになってしまいます。そこは以前から不思議な現象が起こる場所でした。そしてサブタンは壁のタイルのはがれた場所から中に吸い込まれ、四次元の世界へと迷い込んでしまいます。

するとそこには不思議な大広間があって、人形のような四次元生物がいました。サブタンはその四次元生物から時間を止める超能力をもらい、もとの世界へ帰ってきます。サブタンは“時間よ止まれ!”と叫ぶと、自分以外の一切の物が止まり、銃弾からも列車事故からも逃げることができるようになったのです。

さて、今こそサブタンの“時間よ止まれ!”が必要かもしれません。

世界終末時計というものがあります。核戦争などによる人類の絶滅(終末)を午前0時になぞらえ、その終末までの残り時間を“0時まであと何分(秒)”という形で象徴的に示す、アメリカ合衆国の雑誌「原子力科学者会報」の表紙絵として使われている時計です。

新型コロナウイルス、気候変動の脅威など、核戦争の可能性等で現在残り100秒となっているようです。それこそ“時間よ止まれ!”です。

「ふしぎな少年」のNHK実写ドラマでは、サブタンの“時間よ止まれ!”のかけ声とともに、登場人物が動きを止める。でも、まばたきとか、体の揺れとか、微妙に動いている。そこがまた面白かったのです。

ドラマの主題歌です。

今日も電車が走ってる
今日も飛行機飛んでいる
町の子供のサブタンは
今日も元気に歩いてる

タンタンサブタン
負けるなサブタン
困った時には空を見ろ
どんな時にも青空は
僕らの夢を育ててくれる