日本の詩人・小説家・島崎藤村の作詞の「惜別の歌」、中央大学の学生歌になっています。そして小林旭さんも歌っています。

“別れと言えば昔より この人の世の常なるを 流るる水を眺むれば 夢恥かしき 涙かな”

そうです。別れに涙はつきもの、1966年堺正章さんがリーダーのザ・スパイダーズの楽曲に「夕陽が泣いている」というのがあります。まさにグループサウンド全盛期です。夕陽を眺めながら別れを惜しんで泣いている。                       

さてあれから55年、私たちの別れの形態はすっかり様変わりしてしまったのでしょうか。同じく夕焼けが燃えている時、僕は君を手放してしまった、ダンスロックバンドのDISH//、離れてしまった恋人を「猫」として表現し、再び会う日を願う切ない気持ちを歌っています。そこには涙はない、もっと乱暴、でも愛情に溢れた直球的な表現になっているのです。“君の顔なんて忘れてやるさ 馬鹿馬鹿しいだろ、そうだろ”恋人を猫にしてしまうなんて、一瞬にして人の顔を変えてしまうカメラのエフェクト機能をもつスマホ時代の成せる技かと思っていたら、作詞はあいみょんさんでした。やはり音楽家は才能が大事ですね。

さてこの歌の歌詞に惹かれてそれを英訳した方がいます。ネルソン・バビンコイさんです。日本語と英語、ニュアンスは微妙に違いますが、非常にバランスよく訳されています。