1年以上のコロナ禍ではっきりとしたこと、ウイルスは誰にでも感染するのにみんな平等というわけではない。むしろこの感染症がアメリカ社会の深い溝を浮き彫りにしているのです、とタイム誌が報じています。
今回、バイデン大統領は米国救済計画法に署名しました。失業保険ベネフィットの延長、小企業やレストラン業へのサポート等が含まれています。この法案は貧困と戦うためのものですが、公共投資だけでは社会の貧困格差を解消するにはなんの役にも立たないのです。なぜならば、その予算は大海の一滴だからです。
最初の感染の波は富裕層に来ました。旅行や公演などでウイルスにさらされる機会が多かったからです。次に来たのが低収入の労働者です。働かないと生きていけないので休めない、労働環境が悪く、ソーシャルディスタンスをとることができない等ですさまじい勢いで拡大していきました。失業者も増える、そして有色人種の死亡率は白人の2倍に達しました。それとともに貧富の格差もさらに大きくなるという悪循環を繰り返していました。
例えば長者、トップから1%のアメリカ人が7兆米ドルを所有している、トップから5%の家庭が国の資産の2/3を所有している等です。
さて、この格差を少しでも解消するにはどうするか。米国で議論されているのが資産の再分配です。それには富裕層の増税しかないのです。でも、継続的に増税すると経済にダメージを与えることになり得る。なぜならば企業にせよ個人にせよ、金持ちが経済を回しているからです。それならば1回ぽっきりの増税をしてはどうかという方向に向かっています(onetime tax)。

Curing economic inequality requires redistribution, and redistribution means taxes. (Time)

さて我が国は?7人に1人が貧困に陥っていて、先進国の中でも際立っている状態です。あのバブル期の昭和の時代でも貧しさがあった。そう、さくらと一郎です。ヒット曲に「昭和枯れすすき」があります。クレヨンしんちゃんにこんなシーンがありました。クレヨンしんちゃんが通っている幼稚園、山登りをする時に先生がしんちゃんに言います。「何かを歌って行きましょう。」そしてしんちゃんが選んだのが“昭和枯れすすき”でした。先生が言います。「こんな歌うたったら、盛り下がるでしょう」案の定しんちゃんが歌うと雪が降ってきました。
昭和枯れすすきが令和はげやまにならないように祈るばかりです。