感染症法は現在、7種類に分類されています。1~5類及び指定感染症、新型インフルエンザ感染症です。
今突然、新型コロナを2類感染症から5類感染症にダウングレードするという議論が沸きあがっています。すなわち、新型コロナを季節性インフルエンザ並みにするというものです。ウイルスが変異し、感染力が強くなっている今、この議論は時期的に適切とは言えません。もっと早期から検討すべきものでした。なぜ今か?逼迫する保健所、入院病棟及び行政の負担から生まれた発想なのです。普通のクリニックでもインフルエンザのように、キットで診断できる、そして陽性者でも自宅待機、入院要請ができなくなる等が起こるのです。その結果、残念ながら全体の感染者数は増えていくでしょう。
当院でも、できれば新型コロナに対応して、少しでもお役に立ちたいのはやまやまです。でも、外来に来て下さる方は基本的に基礎疾患をお持ちの方です。どのようにバブル形式を実施していくのか、そして約100人の在宅、あるいは施設で療養中の方々をどのように守っていくのか等、様々な解決すべき問題があります。
さて、インフルエンザとの決定的な違いは?それは処方できる経口薬があるかないかです。そしてコロナには胸水貯留等を合併する重症肺炎がやはり多い。現在、私たちに出来うることは限られている。やはりワクチンの接種率をあげることだけなのでしょうか。
私が子供の頃、正義のヒーローで月光仮面のおじさんと並んで人気のあった7つの顔を持つおじさんがいました。ウイルスも顔をころころ変えて、人類に挑戦状を送っているのです。

Viral variants have ever changing seven faces, which are extremely dangerous for human beings.