グレッグ・アーウィンさん訳詞の童謡、最後の御紹介です。
最近、日本の国は亜熱帯のようになってきて、春らしい春、秋らしい秋がなくなってきているような気がします。今、北海道が1番暑い。連日35度を超える猛暑のようです。無事にオリンピックのマラソンが終えられるように祈っています。
暑い夏が去り、皆が穏やかな秋彼岸を迎えられることを願って作られたと思いきや、この歌には意外と知られていないドラマがありました。しみじみとした日本の歌として愛唱されている“里の秋”です。
日本が太平洋戦争に敗れて4か月経った初冬、戦地・外地からぼろぼろになって引き上げてくる兵や一般人を慰労し、歓迎する歌を流したい。そのNHKの意向に沿う形で誕生したのがこの歌だったのです。戦地にいる父さんの無事を母さんと2人で心配する子供のことを歌っている。グレッグさんのコメントです。“何度も聴いたことがあるのに、これが第二次世界大戦を歌ったものだとは全く気が付きませんでした。真珠湾攻撃があった時、母は12才でした。母は自分の父親が戦争に行かなければならないことを毎夜心配していました。丁度同じ頃、日本の子供たちも海の向こうで父親のことを心配していたのです。あなたの秋が永遠に平和な秋でありますように。”