東京の小学校に通っていた私は、夏休みは神奈川県の逗子海岸、あるいは千葉県の館山海岸に海水浴に行っていました。海岸に寝そべって甲羅干しをする。背中全体が水膨れになって痛くて眠れない、いわばⅡ度の火傷です。それでも性懲りもなく毎年続けていました。たぶん今これをしたら大変なことに…。
当時と1番違うのは紫外線の量です。エアコン、冷蔵、冷凍庫等で広く使われるようになったフロン、これが大気中のオゾン層を破壊し、オゾンホールが生じ、人々が浴びる紫外線の量が急増したのです。(平成13年フロン排出抑制法が制定されました)
皮膚のしみ、皮膚癌の発生リスク等は太陽光が原因と言われるようになり、人々はだんだん日光を避けるようになります。
さて今、御高齢者はコロナ感染が怖い。だから屋内に引きこもっておられる。そして若者もパソコンを操作して仕事をしている。その環境は人よりもパソコン自体に優しいように温度と湿度を低く保ち、直射日光が入らないようにしていることが多いのです。すなわち、1日中太陽光の入らない室内でみんな生活するようになってしまったのです。皆さん表情が暗い、何をする気にもならない、しんどい、と訴えられる。ほぼうつ状態です。原因は何?どうさせて頂いたらいいのか?日々の外来で毎日思い悩んでいます。
さて、神経伝達物質セロトニンが脳内に多いか少ないかで幸せ感が決まるといいます。そこに影響を与えるのがビタミンDです。セロトニンやドーパミンの合成放出を変化させ、精神活動をコントロールしています。では、ビタミンDはどうやって摂るのか?食事から摂取する以外に、皮膚において紫外線を受けて産生されるのです。だから、日光浴は非常に大切なのです。過多な紫外線を避けながら、やはり太陽を礼拝して生きていく。それが私たちが楽しく生きていく道なのでしょう。
ビタミンDがカルシウム吸収を通じて骨形成に役立っていることは言うまでもありません。
The relationship between Vitamin D status and depression in a tactical athlete papulation.
J.Int soc sports Nutr