今の世の中、明日何が起こるか全く見えなくなってきています。
1978年ジョン・ケネス・ガルブレイス氏の著書「不確実性の時代」が刊行されてから、不確実性という言葉が広く使われるようになりました。主として経済学の分野ですが…。
それよりずっと遡って、それでもスペイン風邪から100年くらい経ってからですが、1920年代、経済学者フランク・ナイト氏は著書「危険・不確実性および利潤」においてどのような確率で事象が起きうるのかを2つに区分しています。

・リスク―確率分布を推測できる不確実性
・真の不確実性―確率分布を推測することが不可能な不確実性

分かりやすく言うと、確率分布とはどんな感じで起きうるかが過去の経験からだいたい予測できるというものです。例えば、台風がどのくらいの確率で本州に上陸するか、交通事故に遭う確率、一般の人が癌にかかって死ぬ確率などです。
一方で、真の不確実性とは何でしょう?確率分布を推測することが不可能な不確実性。例えば、“日本沈没”で日本中が地震で同時壊滅する、映画「インデペンデンス・デイ」のように宇宙人が攻めてくる、世界中の指導者が謎の地底人に操られ第三次世界大戦が始まるなど、こんな感じです。
それでは今のコロナショックは?ナイトのいう真の不確実性が顕在化した瞬間です。コロナが発生して約1年半、以下の事例は真の不確実性になるのでしょうか?
先日、G7サミットの開催された英国コーンウォールで急激に新型コロナウイルスの感染が増えているというのです。相当厳しい感染対策にも関わらずです。

There have been localized outbreaks in St Ives and Falmouth where the summit of world leaders was staged. (The Independent)

そしてブラジルで開催されているサッカーの南米選手権で相次いでいる感染、東京オリンピックで採用されるのと同様の選手の行動範囲を宿泊施設・競技場に限定するバブル方式。それを破る選手も出ているようです。
わずか1年半の短い期間ですが、今までのデータを出し尽くして、しっかり確率分布を推測し、オリンピック開催のリスクはどうなのか?どうすれば真の不確実性に至らなくて済むのか?オリンピックまであと1か月ですが、国民の安全の為に尽力してもらわなくてはなりません。このままだと私たちの海外旅行なんて夢のまた夢。ウイルスだけを世界中に自由奔放に飛行させてしまうことになります。