最近、めまい・ふらつきを訴える方が非常に多い。でも、脳のMRあるいは耳鼻科の検査でも異常なしとの結果。では、考えられる原因は?
前に申し上げたように、私は昨年11月よりホットヨガに週1回通っています。40℃の室内で体を動かす、ポーズをキープする。大量の汗とともに体は結構きつい。前にアメリカの方が言われているのを思い出しました。同じ思いです。マットの上で長いポーズをとる。「ああ、そうだ。ブッダは正しかった。人生は全て苦しいものなんだ。こんなの誰ができる。」という感じで…。でも、面白いことにそのレッスンが終わった後は、爽快感が残るのです。
I remember I was lying on my mat, and I’m, like, “Oh, you know, the Buddha was right. All life is suffering. How can anybody do this?” (English Journal)

そして今回、トップインストラクターの方のレッスンを受けたのです。先生は私の姿勢を入念にチェックして下さいました。頭・首・胸が右に下がっている。その分それを是正しようとして骨盤に負担がかかっていると。40年間、外来の診療で聴診させて頂く時に、体は左向きに、そしてやや右下から右手で聴診器をあてていく。いつの間にか体は大きく歪んでいたのです。このスタイルを変えていくのは仕事をしている限り無理だと思うのです。
ここで確信しました。めまい・ふらつきの主たる原因は体の歪み、すなわちバランスが取れなくなっているのです、ということを。1本足で立って、そのポーズを維持するときによく思います。ふらふら、ゆらゆら、ふらつきです。
さて、先程のトップインストラクターの先生が、私が直立している姿をみて「絶妙のバランスですね。ピサの斜塔のようです。」と言われました。ピサの斜塔とは、イタリアのピサ市にあるピサ大聖堂の鐘楼です。14世紀の建造物で地盤の土質が極めて不均質で傾いたのです。
私のこれまでの人生は際どさの連続でした。高校、大学受験、医師国家試験、外科医認定、心臓外科医認定、米国留学、どこかで上手くいっていなかったら今の私はない。倒れそうで倒れないというのは、私の人生のモットー。だからピサの斜塔というお言葉はすごく私の心に響いたのです。これからはかかとにしっかり重心を置いて、傾かない・びくともしない人生を歩んでいきたい、そんな思いでいます。
さて今の日本、みんな人生において進むべき道しるべを失っている。どう生きていけばいいんだろう、そんな状況下にあるような気がします。