文豪 島崎藤村の作詞した「椰子の実」日本の有名な叙情歌の1つです。
“名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一つ”
この歌が生まれた背景は?藤村の友人、民俗学者の柳田國男が愛知県の伊良湖岬の海岸でヤシの実を見つけた。どの辺の沖の小島から海に浮かんできたものかは今でも分からぬが、ともかくも遥かな波路を越えてこんな浜辺まで渡ってきていることが、私には大きな驚きであった。藤村にこの話をしたことで「椰子の実」が生まれたのです。
昭和50年代、私が最初にヤシの実のジュースを飲んだのはブラジルのリオデジャネイロのコパカバーナビーチでした。中村教授に随行し、国際心臓血管外科学会に出席した時のことでした。屋台で売っていたヤシの実にストローを挿したジュース、何の深い思いもなく興味本位で飲みました。そして、今になって知ります。ココナッツオイルが私たちの体にもたらす驚くベき効果を。
話は少し脱線します。この学会出席の2週間は驚異の強行軍でした。ニューヨークで乗り継いでリオデジャネイロへ。3日間の学会の後、サンパウロを経由して世界最大のイグアスの滝、その後アルゼンチンのブエノスアイレス、夜についてAM3:00までタンゴのライブ、そして夜が明けてペルーのリマ、そこからインカ帝国の首都クスコに。さらに標高3400mに位置するインカ帝国の遺跡マチュピチュに。しかも片道4時間もかかる列車に乗って。帰国した時はくたくたでした。まさに日々、秒を争う診療を行っている心臓外科によるスーパー軍団の日程でした。
話を元に戻します。数年前、文芸春秋の記事で白澤卓二先生の記事を読みます。“アルツハイマーは第三の糖尿病”と。脳の中の記憶を司っている海馬、アルツハイマー病を発症するとこの部分に老人班ができます。すなわち、神経細胞が死滅して記憶障害を起こしている状態です。研究により、糖尿病でないのに脳内のインスリンの効きが悪く神経細胞が糖を使えなくなっている状態、すなわち脳の糖尿病であることがわかったのです。そして、糖尿病はアルツハイマー病の大きなリスクになっていることも。
人間の脳は2種類のエネルギーソースを使うことができる。1つは糖、もう1つはケトン体です。糖を使い果たした時、体内の脂肪細胞を分解して作られるのがケトン体。脳が糖尿病と同じ状態のアルツハイマー病になると、糖を利用できません。しかしケトン体は利用できます。そこでついにブラジルのヤシの実に行きつくのです。ケトン体を1番多く含み、摂取しやすいのがココナッツオイルです。体に良いオメガ3・6は不飽和脂肪酸です。でもココナッツオイルは不思議です。飽和脂肪酸なのです。摂取すると吸収されやすく、すぐ肝臓に運ばれケトンに変わる。そしてエネルギーになる。脂肪としても蓄積されにくい。もしかしてアルツハイマーを予防するのかもと思うと、食事は非常に重要だということがお分かりいただけますよね。そしてこの頃よく聞く「記憶にございません」そういう人たちが少なくなることを願っています。
Alzheimer’s disease is one of the most challenging disorder, which human beings now face in the current aging society.
Dietary life I hope, helps us greatly to ameliorate symptoms associated with this disease.