濃厚接触が避けられない最たる所は?
そう、老人施設です。入居者さんに寄り添って、移動・食事・着衣・排泄等 日常生活全ての介助をしなくてはならない。しかも、決して足りていないマンパワーで。
特に大変なのは認知症の方が入居するグループホームです。私も2つのグループホームの嘱託医をさせて頂いていますが、スタッフの方々の限界を超えた必死さが伝わってきて、頭を下げても下げきれない。しかも、愛着を持って接すればするほど、感染の可能性が高くなる、なんとも不条理極まりないことなのです。
増加する施設での感染者。でも、その方々は施設に留まることを強要される。なぜならば、病床が足りないから。そして、スタッフは感染を恐れながらケアをする、毎日100対入った手袋の箱がすぐに空になっていく、経済的にも限界です。
Nursing home staff pushed to limit (Japan Times)
東京葛飾区でクラスターの発生した施設、感染者の入院を保健所に依頼したところ、病院は認知症患者はケアができないから受け入れられないと言われたと、施設の看護師さんは言われています。
施設に留まる(入院できない)方は、基礎疾患を持っています。もし、それが突然悪化したら命が危機にさらされるのです。この人は助ける、この人はダメ、命の選別がすでに始まっています。
この超高齢化社会、誰でもフレイルになり、認知症になり、そしていつでも急変する可能性がある。社会全体で介護の過酷な現状をよく理解し、医療と介護の間のバリアを少しずつでも取り除いていかなければならないでしょう。
Many of the infected people who remain at the facilities also have underlining diseases. If their condition deteriorates suddenly, their lives will be in danger. The selection of one life over another has already begun. (Japan News)