COVID-19が徐々に収束し、社会の行動制限が緩和されつつあります。でも、ご高齢の方々にとってはそうではありません。「2年間、外出していないので、筋力が落ちて歩けなくなってきました。」私が「そろそろ屋外なら外出しても大丈夫ですよ。」と言っても、「いや、こわいです。」と答える方が圧倒的多数です。

80歳の男性Aさんもその例に漏れず、殆ど外出せず、運動もせず、そして不定愁訴が次から次へと発症します。ふらつき・めまい・頭痛・頭が真っ白になる、意識が遠くなる等、毎週のように来院され訴えられるのです。CT・MRI等をしても年齢相応の変化のみ、めまいに一般的に使われる薬も投与しましたが一向に改善しません。まず、この方の肩・頚部を触診されて頂くとがちがちに凝っている。肩・首が凝り、緊張してくると、そこに分布する神経の神経痛が起こります。この神経は頭皮の方にも分布しているので、頭痛・頭重感(頭に重しがのっている感じ)などが起こります。さらにこれらの頚部に分布する神経は、すぐ側の自律神経と密接に連絡しているので、自律神経症状、つまりめまい・吐き気・不眠・露視・物忘れなどの症状が起こってきます。だから私は言いました。「肩甲骨を動かし、首を回して肩まわりをほぐして下さい。」患者さんは言います。「肩があがらないのでできません。」もしかして心の病かもしれない。うつ病等も視野に入れながら私は思案にくれていました。

そして思いついた答えは?
困った時の琉球温熱療法でした。そして考案者である屋比久先生は、いつも私の困った時の屋比久先生です。今まで何度も申し上げましたが、その効果をもう一度復習しましょう。

  1. 体が温まって血流が良くなる
  2. 血液がきれいになる
  3. 汗とともに老廃物・有害物を排出する
  4. 免疫力を上げる
  5. 自律神経を調整する
  6. 天然ラジウムによるホルミシス効果(ごくわずかの放射線がかえって体によい働きをする現象)
  7. 癌への直接効果

そしてAさんにも琉球温熱療法を受けて頂きました。今までにない汗をかく。そしてミネラルたっぷりの水分を補給する。翌日、喜びの声が。「すごくすっきりしています。こんな感覚今までにありませんでした。」
でも、上記の7項目の効果だけでは説明できないほどの効果です。精神的にも効果があったとしか思えません。

温熱療法はお腹も温めます。腸が温まって活性化したら何が起こる?
腸は幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを分泌しているので、腸は“第2の脳”と呼ばれ、脳と腸は脳腸相関といい、お互いに密接に影響を及ぼしあっているのです。もしかして心の病にも効果がある?このセロトニンによって脳が幸せを感じたかもしれないのです。ここにまた琉球温熱療法の新たな可能性を強く感じるのです。そして琉球で生まれた温熱療法というだけで、明るくさわやかな状況がイメージでき、心理的なインパクトが大きいと思います。

Ryukyu hyperthermia could be proven to mitigate symptoms related to autonomic imbalance, such as indefinite complaints.