2016年、大統領選でドナルド・トランプ氏に敗れたヒラリー・クリントン氏は、支持者やスタッフを前に演説し、勝てずに申し訳ないと敗北を認めました。大統領夫人・上院議員・国務長官と華麗な政治キャリアを歩み、米史上初の女性大統領を目指したが、あと一歩及ばなかった。演説の一部からです。

“私はこれまでの人生で信じるもののために戦ってきた。そこには成功も挫折もあった。正しいことのため、戦う価値があるということをどうか信じ続けてほしい。”女性大統領という“最も高くて硬いガラスの天井はまだ打ち破られていないが、いつか誰かが、私たちが考えているより早く達成してくれるだろう。”

ガラスの天井とは、資質・実績があっても女性やマイノリティを一定の職位以上には昇進させようとしない組織内の障壁を指します。女性やマイノリティが実績を積んで昇進の階段をのぼってゆくと、ある段階で昇進が止まってしまい、先へ進めなくなる現象。ガラスであるのは“目では見えない障壁に阻まれている”ことからの表現なのです。

さあ、7月は衆議院選挙です。何か野党の影が薄い。でも皆様投票に行きましょうね。

昨年2021年6月のCNNニュースからです。
世界経済フォーラムがその年の3月に発表したジェンダー・ギャップ指数で、日本の男女格差の大きさは156ヵ国中、120位と先進国の中では最も低い評価がされた。なかでも“政治参画”“経済”2分野での格差が大きいとのことでした。“女性の政治参加が進まない日本”というニュースです。日本の与党は女性議員が重要な政治会合に出席することを認めようとしている。同党はそれにある条件を付け、それが今や激しい反感を買っているのです。与党は今、より多くの女性が主要な会合に参加することを求めていますが、それは彼女たちが発言しない限りにおいてです。あくまでオブサーバーとして。これに対してSNSユーザーたちは自民党の提案を世間の感覚とずれた、そして日本社会に深く根差した性差別のまた新たな事例だと批判しました。作家の川上未映子さんは“ここ日本では、女性は永遠の二級市民扱い”とツイートしました。また、皆様の記憶に新しいところかと思いますが、83歳の東京オリンピック委員会会長である森喜朗氏は、女性が会議の場で話すぎるという性差別な発言をして辞任しました。そして国際的な批判をもたらすことになったのです。当時、日本で2人目となる防衛大臣を務めた稲田朋美氏は、日本では男女平等において、他の先進国諸国より20年遅れており、より抜本的な変化が必要であるとし、“クオーター制を導入すべきだと思います。女性議員飛躍の会は選挙の立候補者の30%を女性にすることを提言しています”と言っておられます。

さて、今回の参議院選挙です。各党は女性候補擁立に躍起になっていますが、思うように進んでいません。例えば、自民党は全候補のわずか19.2%が女性です。前回選挙の14.6%よりは多いですが。立憲民主党は女性候補者のサポートチームを立ち上げました。現職の女性議員がアドバイスをする、子育て中の候補者には党から資金援助をする等、他の党も同様に子育てのサポートをするプログラムを打ち出しています。やはり女性の出世にとって、出産・子育てが1番のネックとなっています。

そして今回、衆議院議長のセクハラ疑惑、男社会の女性差別は止まりません。一刻も早く男女平等の社会が来なくてはならないのです。

Japan’s ruling party is allowing women to attend key political meetings.
The party imposed one condition which is now causing outrage.
The ruling party now wants more women at key meetings as long as they don’t talk.
(CNN ENGLISH EXPRESS)

でもだんだん男は弱く、女性が強くなってきているので、やがて力関係は逆転するかもしれません。