COVID-19感染の蔓延の中、我が国の医療・介護の領域で日本だけでしか見られない悲惨な光景が広がっています。
何故?それは我が国が他国に類を見ない超高齢化(少子化)社会だからです。第5波ではECMO;人工呼吸器が必要となるコロナウイルスそのものが原因となる重症者が多かった。でも弱毒性オミクロン株が主体の第6波では、基礎疾患のある高齢者がコロナに罹ることにより持病を悪化させ、重症化するケースが増えているのです。
COVID-19 beds increasingly occupied by elderly patients
Many hospital beds secured for COVID-19 patients are being occupied by infected elderly patients. In Tokyo, more than half the patients using the beds are at least 60 years old.
(The Japan News)
多くの病院のベッドが埋まってきました。60才以上の高齢感染者で。
まず、病院の役目は医療を行うことです。でも、予期せぬことに入院患者の介護が医療以上に必要になり、病院に大きな負担を課してきているのです。
第5波との違いは、COVID-19にあてられているベッドに入院している患者さんは、医療と介護の両面からのケアを必要としていることなのです。
認知症の患者さんは、感染症指定区域を出て徘徊される。コロナ以前なら看護師さんが手を取って部屋に導いていました。でも、今は直に接することなくボディランゲージで対応する。とても時間がかかるのです。
東京都江東区の城東病院では、多くのコロナ患者さんが80代、そしてそのうち日常生活で全介助を要する要介護5の方も多い。食事の介助・排便の介助・移動も全介助、でも直接体に触れることもできない、介護の方の人手不足も深刻です。医療従事者は、介護ケアをして頂く方がベッドサイドにいて頂くことで医療に集中できるのです。
多くの高齢者の方々が2回目のワクチンを終えて6ヶ月以上経つ。だからワクチンの効果も薄れていく、御高齢者の命を守るために私たち医療者のすべきことはあまりにも多いのです。医療現場の疲弊は極限に達しています。
でも立場を変えて高齢者からみると・・・。コロナ専用病室に隔離され、明日が晴れでも雨でも愛する人はそばにいてくれない、これは最悪な老後でしょう。誰にでもやってくる老後、一刻も早くなんとかしなければなりません。