“スマホ脳”“一流の頭脳”が世界的ベストセラーとなり、スウェーデンで国民的人気を得た精神科医アンデシュ・ハンセン氏の著書“最強脳”からです。
あなたはタイムマシンに乗り、4万年前の東アフリカに行くのです。アフリカのサバンナに。非常に危険の多いところです。カバに追いかけられたり、ライオンに襲われたり。でも運良く狩りをして移動して暮らしているヒトのグループに出会い、一緒に行動します。人間の長い歴史、その殆どが動物を狩ったりした狩猟採集民だったから、あなたもその遺伝子を引き継いでいるのです。
脳は自分が生き延びられるようなことをすると、ドーパミンというご褒美を出すのです。
ご褒美を得るために獲物を追いかけないとならない、そして暮らしやすい場所を常に探すことも大切、つまり体をずっと動かしていなければならないのです。
そのような生活をしていると脳には警報器もついてきます。危険に気を配り、必要な時に戦うか逃げるかの準備をしてくれるシステムです。だから本来、人間の脳のシステムはサバンナにぴったりなのです。ずっと体を動かしていないと生きていけないサバンナに。
今の世の中、人間は体を動かす必要がなくなってきています。人類の歴史の中で、長い長いサバンナの狩りの時期に比べ、農耕が始まる、そして産業革命、デジタル化という期間はあまりに短いのです。だから今でもサバンナ脳の血を引く私たちが、デジタル社会に追いついていないというのは自明のことなのです。
The overwhelmingly longest part of human history on earth is a period when our ancestor had been living on hunting and collecting in savanna: So, we, modern people, still have savanna brains.
さて、子供の頃好きだった番組に「少年ケニヤ」があります。アフリカのケニアで孤児になった日本人少年ワタルが仲間のマサイ族の酋長や、ジャングルの動物たちと冒険する物語です。1951年から産業経済新聞に連載されていました。え、私まだ生まれていない!
1941年12月、日本は真珠湾を攻撃、米英と交戦状態に入った。日本の商社マンとして英国植民地のケニアに駐在している村上大介と10才になる息子のワタルは敵国人として拘束されるのを恐れ、自動車で奥地へと逃れた。途中ワタルは父とはぐれ、ひとりぼっちとなるが、酋長やケートと呼ばれる不思議な美少女と出会い、彼らの助けも得ながら冒険の旅を続け、最後は父親に巡り会うという物語です。“赤蟻 トカゲ 何でも来い”
ワタルもきっと磨かれたサバンナ脳を持っていたのでしょう。