外来で皆様に聞きます。「運動をしていますか?」多くの方が言われます。「歩くくらいかな」 確かに歩くことは立派な運動です。でも2年前に始めたホットヨガをして思います。肩まわり、呼吸筋、体幹筋、腹筋、骨盤筋等 歩くだけでは鍛えられない筋を使います。健康寿命を延ばすには全身の筋力をつけることが非常に重要なことだと思います。
諏訪中央病院名誉院長で“住民とともに作る地域医療”の最前線に取り組まれてきた鎌田實先生、長野県を日本一の長寿県に導いたことでも知られています。73歳の今も“1日たった3分のずぼら筋トレ”を毎日続けておられるようです。“何歳になっても自分の足で行きたいところへ自由に行ける体を手に入れるには筋肉が何より大事です”と語っておられます。
あるデータによると、現在70歳前後の男性で4分の1の元気グループに入る人は93歳まで生きるとのこと、女性はなんと99歳まで生きるそうです。死ぬギリギリまでピンピンしてヒラリと逝きたい、誰もが願うことだと思います。
鎌田先生は言われています。筋肉は40歳を過ぎると毎年1~1.2%減少しますから中高年は意識して筋肉を鍛えて貯筋しないと、だんだん筋肉が少なくなって、やがて介護保険のお世話になることになります。そして“貯金よりも貯筋”だとも。
いくらお金を貯めても、自力でレストランにも旅行にも行けなくなったら楽しくありません。そうならないため大事なのはお金より筋肉と。“60代からの鎌田式ズボラ筋トレ”わずか3分毎日するだけで効果があるようです。皆様も参照して下さいね。
筋肉運動をすると、血糖値やHbA1cの数値が下がる。そのメカニズムは筋肉から分泌されるマイオカインという若返りホルモンなのです。このホルモンは脳の機能も押し上げてくれるのです。
It is important to train whole body muscles and keep them intact, in order to live a brilliant life for the latter half of life.
でもズボラ筋トレではこの人の域には到底達しないでしょう。
それは海洋冒険家の堀江謙一さん83歳の偉業です。
世界最高齢でのヨットによる“太平洋単独無寄港横断”を達成されたのです。6月4日兵庫県の新西宮ヨットハーバーに帰港された堀江さん、3月下旬にアメリカ・サンフランシスコを出航、8500㎞を69日かけて航海されました。そして第一声「お待たせしました。この航海によって精神と肉体の完全燃焼を成し遂げたとそう確信しております。」本当にすごいことです。強靱な肉体と精神だけでこの偉業が達成できるのでしょうか?私にはプラスαがあるような気がするのです。それは海、自然に対するこよなき愛かな。