アダムとイブの神話で、アダムが食べた禁断の果実、そしてニュートンの万有引力の法則のきっかけともなった果実、それはリンゴです。

約4000年前から栽培されていたと考えられるほど、私たちと長い付き合いのある果実です。さらにウェールズ由来の英語のことわざにあるように、リンゴを食べることが健康によい効果をもたらすとされています。

An apple a day keeps doctor away. (1日1個のリンゴは医者を遠ざける)

リンゴは豊富な食物繊維やビタミン・ミネラル・フラボノイドの一種であるクエルセチンを含んでいて、ダイエットや心血管系疾患、がんに対する効果まで報告されています。リンゴは腸内細菌を善玉に変える。そして抗酸化物の源でもあります。

さて、リンゴといえば赤、終戦直後サトウハチローさんが書いて並木路子さんが歌った歌、可憐な少女の思いを赤いリンゴに託して歌う歌詞が終戦後の焼け跡の風景や、戦時の重圧からの開放感とうまく合っていたのと、敗戦の暗い世相に打ちひしがれた人々に明るくさわやかな歌声がしみわたり、空前のヒットとなりました。

でも、こんなリンゴもあります。兵庫県立美術館内に2018年9月、建築家安藤忠雄氏設計のAndo Gallery があります。そして安藤氏が“青春のシンボル”としてデザインされた“青いリンゴ”が屋外スペースに置かれています。

 

安藤氏の青リンゴに対してのメッセージから抜粋させて頂きます。

サミコエル・ウルマンは“青春の詩”の中で、青春とは人生のある期間ではない。心のありようなのだ、と謳いました。いつまでも輝きを失わない永遠の青春へ、目指すは甘く実った赤リンゴではない。未熟で酸っぱくとも明日への希望に満ち溢れた青リンゴの精神です。

青リンゴから安藤氏の“俺はまだまだこれからだぞ”というパワーが伝わってきます。さあこれからどんな希望をもって生きていきましょうか?
郷ひろみさんに登場して頂いたら、この人も出ていただかなければなりません。
野口五郎さんのデビュー曲「青いリンゴ」です。
私の勝手な解釈ですが、初恋の中で傷つき、涙する二人。未熟な青いリンゴのような恋だったのでしょう。