最近の私の趣味の一つは西国三十三所を歩いてお参りすることです。今まで円教寺(姫路)・中山寺(宝塚)等を紹介させて頂いています。
先日は清水寺(第16番)を訪れました。清水寺は後日紹介させて頂きますが、京都にせっかく来たということで南禅寺も訪れたのです。

京都の観光スポットとして1.2の人気を誇る岡崎エリアの南禅寺、まだ桜には早すぎ、“春は名のみの 風の寒さや”(早春賦)という感じでしたが、存分に境内を楽しみました。
まず南禅寺の三門 高さ22メートル、日本最大級の高さを誇る三門、圧巻の迫力でした。“絶景かな 絶景かな”歌舞伎「桜門五三桐」で石川五右衛門が発する名台詞です。

そして水路閣、サスペンスドラマに欠かせないテレビ・映画・アニメの舞台としてもおなじみで、京都の近代化を物語る貴重なモニュメントで、明治維新後の京都を復興させるべく琵琶湖の水を京都へと引いた「琵琶湖疎水事業」に伴い、1888年に完成しました。
建設当初は景観を害するのではと反対の声もあったそうですが、今では禅寺の侘びた趣にふさわしい、格好のフォトスポットになっています。

さて南禅寺は臨済宗南禅寺派の大本山“日本最初の勅願禅寺”として鎌倉時代に創建されました。
みるべきポイントで溢れている南禅寺、でもひっそりと建てられている庵に私は惹かれました。それが茶席の不識庵です。茶道宗偏流一門によって寄進されたものですが、南禅寺の開基の亀山天皇650年御忌を記念して昭和29年に建てられました。

中国禅宗の開祖とされているインド仏教僧だるま大師、不識庵の説明書によるとだるま大師が梁の武帝と対面した時、「私の前にいるのは誰か」と問われたところ、自分を説明しようとしても言葉では真の自分を表現できないということから不識と答えたとか。
説明書はさらに“本当の自分とは何なのかを知るためには、心を極めていかなければならない”と続いています。

Fushikian is an unknowing hermitage, which is located inside the precinct of Nanzenji temple. It was used as a tea house. Hushiki comes from a story about zen monk Darumataishi.
He asked somebody, in front of him, ‘Who are you?’ He could not respond on the spot.
We must have our own identities, and master ourselves. Concentration is required particularly in the tea ceremony.

だから恋人から“おしえて欲しいあなたのすべてを”と言われ、答えられる人が本当にいるのかなと思うのです。