アメリカでの人種差別:特に黒人系アメリカ人に対してのそれは、報道されている繰り返される悲劇でよく知られています。黒人男性のジョージ・フロイド氏は、身柄拘束中に白人警官に頚部を圧迫され死亡しました。でも、ここにきてアジア系への憎悪犯罪が急増しています。
30年前、米国に留学していた私は、ひとかけらの差別をも感じたことがありませんでした。当時の日本は、ジャパン・アズ・ナンバーワンというエズラ・ヴォ―ゲル氏の著書にもあるように日本人の学習への意欲と読書習慣、勤勉さが賞賛されていました。だから、同僚からもヒロオミはよく働くと好意的にみられていました。
そしてボスのシドニー・レヴィツキ―先生、私の恩師の中村和夫先生と親友で、カズオが送ってくれたヒロオミだから間違いないと失敗を繰り返す私を温かく見守ってくれました。
レヴィツキ―先生はユダヤ系、家庭内で子供のころから“あなたは特別なの”と教えられたと言います。そして私にも“ヒロオミ、自分に自信を持つことだ”と。
さて、話は戻ります。今の米国のパンデミック、コロナが中国から来たという説や権力者がわざわざ中国ウイルスと表現しているせいで、アジア人が道を歩いていると中国に帰れと怒鳴られるという事態が頻発しているとのことです。
実は、アジア差別は第2次大戦中に遡ります。ジョージ・タケイさんは日系アメリカ人で、大戦中強制収容所に送られました。日本の真珠湾攻撃でアメリカは恐怖に飲み込まれ、真珠湾を爆撃した者と似た風貌の人を見ると、あからさまな敵意を向けたといいます。
当時のロサンゼルスのフレッチャー・バウロン市長は発言しました。「何世代前からこの国にいようが、彼らはやはりジャップだ(日本人に対する別称(軽蔑))」そして、フランクリン・ルーズベルトは大統領令に署名しました。それは全白系アメリカ人を起訴も裁判もなしに直ちに一挙に検挙するというものでした。
タケイさんは収容所での日々の恐怖を語られています。でも、今は希望があるようです。今の大統領が正真正銘のリーダーであると。
バイデン大統領の演説です。
アジア系を敵対視することはアメリカ的でない。許せない。やめなければならないと。
This is un-American. It is intolerable. And it’s got to stop. (CNN English Express)
異国の地で何の恐怖も感じずに歩けるような世の中が戻りますように…。