私は京都市で生まれました。少しの間同志社幼稚園に通った後、父親の仕事の関係で東京に、東京の23区でありながら、当時は周りが畑だらけの練馬区に住むことになったのです。そう、練馬大根が有名なところです。
まだ周りは村社会。プライバシーも何もない。幼稚園児から小学校の高学年までみんな友達のように遊んでいました。その頃(昭和30年の半ば)は、ようやく家庭にテレビが普及し始めたところでした。私の家はほぼ1番最初にテレビを購入した為、特に日曜日の夕方は子供たちの社交場になりました。
月光仮面が悪者をやっつける度に大歓声が。今ではみられない光景ですよね。ここで大事な点は社会的協調です。人間の脳は初めに首の後ろ部分が成熟し、最後に額の奥にある前頭葉に向かって成長していく。なぜ前頭葉が最後か?前頭葉は社会的協調に重要で、人間のそれは非常に複雑で何年もかかる。だからみんなで月光仮面をみて同じ気持ちを共有することは、前頭葉を発達させる上で非常に重要な意味を持つものなのです。そしてプロレスのデストロイヤーと力道山、デストロイヤーの四の字固めに懸命に耐える力道山、みんなで手に汗を握りました。
もう一つ大事なのは遊びです。みんな大いに遊びました。草野球・ドッジボール・相撲ごっこ、中でも面白かったのは缶蹴りでした。たった1つの缶しかいらない。鬼を1人決め、子の1人が空き缶を思い切り蹴とばす。鬼が空き缶を拾って元の位置に戻すまでに子供たちは建物や、樹木に隠れる。そして鬼が探すという単純なルールです。鬼が“〇〇さん見つけた”と言って缶に戻る。鬼が缶から離れている隙に誰かが缶を蹴れば、見つかった子は再び隠れることができる。だから、どんくさい子はいつまでも鬼のままなのです。でも、そんな子はいなかった。みんなそれなりに運動能力がありました。缶蹴りは意外と運動量が多い。俊敏性・走行能力・瞬発力が養われるのです。今は、缶を蹴る?それは危険すぎると親は許さないかもしれません。だから、今の子供たちは圧倒的に運動量が足りない、でも実は運動はストレス、不安解消、集中力アップに非常に役立つのです。(スマホ脳)
子供たちが健全でないと日本の将来はない。今の厳しい状況下でも、子供たちが喜びと感動を共有しながらのびののびと生きられる社会を作っていくのが私たち大人に課せられた使命なのでしょう。
Nowadays, most children live sedentary lives, frequently using smartphones, which give adverse effects to their health. We have to make all-out efforts to improve these situations.