細菌とウイルスはどう違う?
細菌は一つの細胞しかない。栄養素さえあれば自分と同じ細菌を複製させ、増えていくことができます。ウイルスは細菌の50分の1程度の大きさでとても小さく、自分で細胞を持たず、ヒトの体の細胞に入り込んで生きています。どちらも目に見えないことに変わりはありません。
何故、疾病が発生するのか。顕微鏡などが未発達な19世紀のドイツでは、主として2つの説がありました。接触感染説とミアズマ説です。ミアズマとはギリシア語で湿気や汚れによって発生するエアロゾル状物質と考えられ、これによって、当時猛威を振るっていたコレラ等の病気が媒介されるのだと。いわば、悪い空気です。もし、コロナウイルスが当時流行っていたらミアズマのせいだとされていたでしょう。だって濃厚接触者がなくても陽性者になる、イギリスに行ってなくてもイギリス変異株が見つかる。説明できないことが多いからです。
公衆衛生学者のペッテンコーファーは諸悪の根源は、不潔・湿気だと考えられました。そして、下水道建設を積極的に推進したのです。
コレラの発生はミアズマが原因という説を完全否定したのがコレラ菌を発見したローベルト・コッホでした。日本からはペスト菌を発見した北里柴三郎がコッホ研究室に留学しています。
ペッテンコーファーは長年コッホのライバルで、コッホのバクテリア説の理論が間違いであることを証明するために、コレラ菌のいっぱい入ったコップの水を飲みほしました。この命がけのデモンストレーションをもってしても、彼はバクテリア説の支持の広まりを止めることはできませんでした。晩年になると、彼の名声と影響力は低下していきました。
Um zu beweisen, dass Kochs These falsh ist, trank er sogar einen Becher voll Cholerabakterien. (まいにちドイツ語)
でも、彼の功績は絶大なものがあると思います。だってみんな手の消毒をしている。だから今年はインフルエンザがゼロなのでしょう。