さて、感染予防の切り札となるワクチンです。
世界各国で、既に始まっているワクチン接種。日本では今、接種のタイムスケジュールが発表されていますが、はじめにスケジュールありきで進んでいるような気がします。すなわち、やっている感です。私たち医療関係者への情報があまりにも乏しいのです。
最近、最も多い患者さんからの質問は“先生、私打っても大丈夫ですか?いつから始まるのですか?”そして特に在宅、あるいは施設入居者さんたちからは“ここで打って頂けるのですか?”私にとって一番難しい質問です。“うーん”と首をかしげるのが関の山です。
タイム誌が報じています。アメリカでは、保管・供給ルート等に要するマンパワーが圧倒的に不足しているため、大幅に接種が遅れています。1月の時点で、2千万の人が受けているはずが、500万人にも満たないとのことです。
今、南アフリカ・英国での変異種が全世界にも急速に広がっていて、ウイルスが更なる変異をしないために、ますます迅速な接種が不可欠になっています。ワクチンは原則2回接種ですが、2回接種で95%以上の有効性を保つよりも、もっと多くの人に50%の有効性で1回接種する方が、感染の蔓延を防げるという説もあります。
限られた供給量であるならば、できる限りの方にせめて1回でも打つのがいいのかもしれません。(herd immunity 集団免疫)
そして、フランス・ドイツ・スウェーデンでは、治験数が足りないとのことで、65歳以上の接種を当面奨励しないということです。日本では、80~90代の方が重症化が多い。では、どうするのか?
The number of infections among people in their 80s and 90s are at high risk of becoming seriously ill.
(The JAPAN NEWS)
RNA技術を用いた今回のワクチンは、柔軟性があり、一部のRNAを操作するだけで比較的速やかに変異に対応できるとのことです。
The mRNA tech is designed to be flexible.
It should be relatively easy to swap out the existing (genetic) sequence for one that addresses a new mutation.
(Time誌)