CNN English Expressからです。
アメリカ・メディアの大手 CNNの創設者として言わずと知れた同国有数の凄腕実業家テッド・ターナー氏、メジャーリーグチームの買収や世界最高峰のヨット大会への出場(そして優勝)、さらに複数のケーブルテレビ局の創設や買収など、数々の事業も成功させてきた同氏が齢80を越えた今、心血を注いでいるものがあります。それはやはり、気候変動問題、環境保護なのです。
ターナー氏の人生は波瀾万丈でした。両親は離婚し、育てられた父親はノイローゼで家庭内暴力を振るい、後に自殺、そして妹を難病で失い、3番目の妻で10年連れ添った女優のジェーン・フォンダ氏と離婚する。2001年にはITバブルが崩壊して仕事を失う。仕事を失い、妻を失ったターナー氏を支え、安らぎを与えてきたのは自然との関わりでした。そして環境保護活動を続けていきます。
1980年代から牧場の購入を始め、米モンタナ州他、南米アルゼンチンに15の牧場を所有し、総面積はニューヨーク市の10倍にのぼり、今や北米で2番目の大地主です。
さて、牧場で何をするのか?モンタナ州南西部にあるターナー氏が所有するフライングD牧場、野生動物の飼育・保護を目的としていますが、一般の市民が訪れ、キャンプや釣り、ハイキングを楽しむことができるのです。
ここで、ターナー氏は幼少期からの夢、バイソンを復活させることを実現させているのです。バイソンは実際に法律で“米国の象徴”と定めた野牛で、2016年当時のバラク・オバマ大統領は“バイソン遺産法”を成立させ、国の哺乳類に指定したのです。
現在ターナー氏が所有するバイソンは5万頭を超え、失われつつある北米の大草原と野牛を復活させることを自らがなすべき社会貢献としているのです。
ではなぜバイソン?
ターナー氏が子供の頃、雑誌でバイソンについての記事を読みました。そして彼らがいかに絶滅しかかっていたかを知るのです。そこで決意をします。バイソン復活の手助けをするためにできることをやろうと。
米国政府の推定では、16世紀には3000万頭から6000万頭のバイソンが北米の地をさすらっていた。19世紀の終わりにはわずか数百頭に。バイソンという種を救おうとするなら、環境を保護しなければならないということに結びつくのです。
常に移動しているバイソン、鋭い爪で地面に切り込みを入れる。それによって草の種が根をはれるようになる。そんな2次的効果もあります。草が生えれば二酸化炭素を大気から取り込むようになる。バイソンは地球を救う一助になるというのがターナー氏の強い思いなのです。
It’s hard to separate the image of the bison from America. It’s a national symbol. The US government estimates 30 to 60 million roamed North America in the 1500s. By the end of the 1800s, just a few hundred wild bison remained.
(CNN English Express)
私が小学生の頃、アメリカの広大さを知ったのはアメリカのNBCで放送されたテレビ映画の西部劇、1960年代前半の西部劇の黄金期にローハイドと並んで最も視聴率の高かった番組ララミー牧場でした。牧場を襲うギャング達を見事なガン捌きでなぎ倒す4人が牧場を守りながら大陸横断郵便の要である駅馬車中継所を柱に、雄大な西部を背景としてそこで起こる様々な事件や出来事に立ち向かっていく物語でした。
日本ではその主題歌をデューク・エイセスが歌っていました。