現在、日本では水不足は考えられない。でも私たちが当たり前だと思っている水にも危機が忍び寄っています。

世界全体のインフラに投資されている全ての資金の2%未満しか水関連のインフラに投入されていないのです。毎年8兆ガロンの水が、その水漏れする配管やインフラの不備のために失われているという事実。その水の供給にかかるコスト、つまり水を手に入れ、処理し、移動させるコストは完全な無駄で、その失われた水は世界中で入手され、処理される水の25%を占めているのです。
米国の俳優マット・デイモン氏は水の無駄をなくし、途上国へ安全な水を届けるため、水のインフラへの投資を呼びかけています。

8trillion gallons of water a year are lost because of leaky pipes or infrastructure. That’s an absolute waste.
(CNN English Express)

さて昨日取り上げました、人類の自然との共生。すなわち、ビーバーと共に生きることで災害からの被害が軽減されるということを。

さて、スケールの全く違う人と大自然のダイナミックな共生はどこにある?それは世界三大瀑布の一つのナイアガラの滝です。
文藝春秋3月号からで、ナイアガラ“命の水”というタイトルです。自然大国カナダには数多くの絶景や観光名所が存在する。景観が破壊されることなく美しいのは、人がそこに寄り添うからだ。すなわち共生です。

カナダとアメリカの国境にあるナイアガラの滝、約2万年前、絶え間なく降り積もる雪が氷河となり、北米大陸に広がった。巨大な氷河は少しずつ移動して大地をえぐり、カナダとアメリカをまたぐ五大湖を形作る。1万2500年前に氷が一気に溶けた時、五大湖の水が満ち溢れてナイアガラが生まれた。

ナイアガラの水量があまりに多く、滝のふちがどんどん削られていく。このままでは滝が消滅してしまう。ここで人類の英知が登場します。滝の流水量の調整です。迂回させた水はクリーンエネルギーの大切な源として水力発電として利用する、そしてその電力はカナダのみならず、一部アメリカへも供給されている。そこには無駄は一切ないのです。

 

ちなみに世界三大瀑布とは?
イグアスの滝、ビクトリアの滝、ナイアガラの滝です。

30年以上前、私は国際心臓外科学会出席のためブラジルのリオデジャネイロを訪問しました。その時、ブラジルとアルゼンチンの国境にあるイグアスの滝を観光しました。それはすごい、小学校の時訪れた日光の華厳の滝が赤子のように思えました。

 

雷鳴のごとくとどろくすさまじい水音に息を飲みました。
アメリカのエレノア・ルーズベルト大統領夫人が訪れた際、イグアスの滝を見た夫人が“My poor Niagra (かわいそうなナイアガラ)”と言った意味がよく分かります。

最後に人は大自然を上手くなだめながら、地球環境を守っていかなければなりません。
浮気された女性が、その復讐心でその相手と一緒に天城山を越えようとする少し過激な歌があります。静岡県の伊豆半島天城は川端康成の「伊豆の踊子」で有名になりました。
ただ、イグアスの滝、ナイアガラの滝は復讐心ぐらいでは乗り越えられないでしょう。メジャーリーグのイチロー選手がバッターボックスに入る時に使っていた曲でもあります。イチロー選手は記録などの自分の前に立ちはだかるものを越えたいと思ったといいます。