訃報がありました。石原慎太郎さんが亡くなったのです。
石原さんといえばまず、作家です。それは「太陽の季節」でした。裕福な家庭に育った若者の無軌道な生活を通して、感情を物質化する新世代を描いた作品でした。第34回芥川龍之介賞を受賞しました。そして、その人気を利用して政界に入ります。
1968年参議院議員となり環境庁長官を、1987年に運輸大臣を歴任、1999年に東京都知事に当選したのです。ご自身が“人から憎まれて死にたいと思います”と言われているように、私もあまり好きな政治家ではありませんでした。でも、そのあくまでも我を通すそれは見習うべきものがあるのです。
私はどちらかと言うと、誰からも嫌われたくないと思うがあまり、決断が曖昧になったりという時が多々あったり・・・。
石原さんのこの国を守るという決意を痛いほど感じたのは、中国が領有権を主張する東シナ海の個人所有の3島を都が買い取るという動きを起こし、それが国をして買い取るという動きになったのです。そのことにより、日中間の関係が国交正常化40年で最悪となりました。
As Tokyo governor, his unexpected attempt in 2012 to buy three islands claimed by China in the East China See from a private Japanese owner forced the national government to purchase them, triggering the worst crisis in bilateral ties in 40 years.
石原さんの死生観に以下のものがあります。
意識がなくなったら来世なんかありっこないからね。僕は来世というのは絶対にないと想う。ただ死んで意識がなくなったら、存在なんか知覚できないわけだから、ただの虚無ですよ。
石原慎太郎さんの遺言状にはこう記されています。
「葬式不要、戒名不要。我が骨は必ず海に散らせ」
ただ多くの方のご臨終に立ち会った私にとって死後の世界については、ひとえにそうとは想えないところがあります。
先日、脳梗塞の後、頻回の肺炎をくり返し呼吸苦が続き、数年間苦しまれた60代後半の方を看取らせて頂きました。亡くなられた後のお顔を拝見させて頂くと生前と全く違う安らかそうなご様子でした。私は、ああ楽になったと思われているのだと強く感じたのでした。
さて昭和の大スター石原裕次郎さんは、石原慎太郎さんの実弟でした。肝臓癌で52才の若さで亡くなられています。俳優でもあり、歌手でもありました。