大阪のオフィス街に佇む古風な建物、それが山本能楽堂です。

そこではまさかの曲が演奏されました。なんとジャズです。この度は私と同じ神戸大学の同窓生のよしみで知り合ったジャズポップスシンガーソングライターの吉田昌代さんのステージでした。

 

神戸大学卒業後、ボストンのバークリー音楽大学に留学、その後22年間ボストン・サンフランシスコを中心にアメリカで音楽活動をされて帰国されました。私達はその輝かしいご経歴をさっして余りある素晴らしい歌唱力に圧倒されたのです。

曲目はスタンダートジャズから御自身の作詞・作曲の歌、そして平和を祈ってのジョンレノンのイマジン(ジャズ風にアレンジされていました)等です。その中でエージレスという歌は文字通り、自分の年齢を忘れて若返らせてくれるような歌でした。

このステージでは、もう一人の役者が。当院のインスタグラムにも紹介させて頂いている日本家道山川流いけばなの遠藤祐子宗家です。能楽堂のステージの上でスタッフが1本1本の花を祖先・祖父母・父母・子供たちに見立てて花を生けていく、そして一般の参加者が1本1本の花をお世話になった人を思い浮かべて生けていく。その完成作が写真です。

生け花を通じて人類に愛を伝える、生け花が導く世界平和の道をテーマに活動されています。今回の花とジャズのコラボレーションイベント「恋する能楽堂 お花とジャズの競演」は“今を生きる”がテーマでした。

私も思います。この先行き不透明な世の中、今この瞬間、瞬間を必死に生きる、その積み重なりが実りの多い人生になるのだと。

ジャズとお花と能楽堂、全く別世界の集まりのようですが、絶妙な調和を感じました。それは参加者全員が世界平和を祈って、今を楽しんでいるからなのです。一人の方が詩を朗読されていました。その意味するところは“もし明日死ぬということがわかったら、今までの99%は不必要だったということを知るでしょう。では必要なものとは?最後の晩餐のような当たり前の食事、そして音楽、花だと。

素晴らしい時・空間でした。ジャズの良さを再認識させて頂いた1日でした。

シカゴのジャズのベテラン奏者ウェイン・シーゲルさんが語っています。
ジャズはアフリカ系音楽の組み合わせから始まったが、そこにヨーロッパ的なハーモニーを取り入れ、そのハーモニーを進歩させたんだ。でもそれだけじゃなく、他国の音楽も取り入れた。例えば日本も。だからジャズはなんでも受け入れる音楽なんだ。

私がシカゴに留学している時、先輩がジョージア州のエモリー大学に留学していたのでアトランタを訪れました。街角で流れていたレイ・チャールズの「我が心のジョージア」が感動的でした。