1970年の映画です。

イタリアの巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督、ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ主演の「ひまわり」です。

第二次世界大戦で、当時のソ連の戦線へ送られた兵士のアントニオ、出征前に彼と結婚したジョバンナは終戦後も夫の帰りを待ち続けていた。そしてついに決意する。夫の消息を自分で確かめるべくソ連に行くことを。イタリア軍が戦っていたソ連南部のウクライナの町へ。決死の想いでアントニオを探し続けるジョバンナ、信じがたい事実を目にすることになります。当時ウクライナはソ連の一部でした。
私も観たかどうかも覚えていない映画ですが、今一度観てみたいと思っています。戦争が一般市民に与える悲劇を切実に訴える名作です。

そして映画のオープニングとエンディングに登場するひまわり畑、これはウクライナで撮影されたものでした。夫を探しながら途方に暮れるジョバンナ、無数のひまわり畑の間をわけいるように進んでいく。屈指の名シーンです。
こんな美しい自然一杯のウクライナ、連日のミサイル攻撃で廃墟化していく映像を見せられるのが悲しい。

文藝春秋5月号でくぼたのぞみさんの書いた詩が載っていました。一部抜粋させて頂きます。

ひまわりの種をポケットに入れていきなさい!
冬のウクライナの町へやってきた
ロシア兵に向かってひまわりの種をさし出して女はいう
あんたがたみんなここで死ぬんだから
種から芽が出て花が咲く
夏のウクライナに咲く一面のひまわり畑には
無数 無念のヒトの命が眠っている

Countless souls of Russian soldiers,who died in vain in the war, should rest in vast sunflower fields in Ukraine.

ヒマワリは生長が盛んな若い時期 太陽の方向を追うように花がまわる。そのことからその名がつけられたといわれています。
もうこれ以上破壊しないで!
そして一刻もはやくウクライナに、太陽がくれた季節が来ますように。青空の下でひまわりが咲き誇る。まさにウクライナの国旗です。