先行きの全く見えない世界情勢、我が国も対岸の火事と言っていられない状況になってきています。
日本近海での中国・ロシア・北朝鮮の動きが非常にきな臭い。最悪の状況にならないためにも外交は必要なのでしょう。いわゆる第二次世界大戦後の東京裁判は1946年1月19日、連合国最高司令官マッカーサーの命令で設立された極東国際軍事裁判所が日本の戦争指導者に対して行ったものです。
A級戦犯として絞首刑となったのは7名(東条英機、広田弘毅ら)でした。その中で広田弘毅に着目しているのが城山三郎さんです。「落日燃ゆ」、広田氏は元々外交官で文官であり、総理大臣も外務大臣も経験され、中国進出の軍拡路線をとる軍に対して一貫して対峙していたにもかかわらず、死刑が言い渡されたのです。
理由は近衛内閣の外相として南京事件での残虐行為を止めなかった。不作為の責任を問われただけなのです。
まとめますと、外交官として交渉、話し合いで他国と協調し国力を増強させようと誠意を持って粘り強く仕事に取り組むも、武力で解決を図ろうとする軍部の暴走により、他国との関係は悪化していき戦争に発展してしまう。その一部始終一貫して広田氏は平和を求め、外交での交渉による解決のため奮闘する。そんな日本のため平和協調のために生きた男が最終的に軍部の人たちと共に戦犯として処刑されてしまう。そして処刑に際して何の言い訳・自己弁護もしなかったようです。私は広田弘毅という人物を城山三郎さんの著書からしか知りませんが、骨のある方であったと察しています。
さて本日のThe Japan Newsからです。
ロシア軍の動きが日本周辺の海域で活発になっています。日本が課したロシアに対する制裁に対抗してのものなのでしょう。
Govt to step up monitoring of Russian military activities
Russian military activities have increased around Japan since Tokyo and Western countries imposed sanctions against Russia over the invasion of Ukraine.
(The Japan News)
さらにやっかいなことには、ロシアは中国と軍事協力を密にしているようです。そしてロシアの艦艇で10隻が津軽海峡を通過との報道が。政府はいつもいいます。“非常に遺憾です。”だれか広田弘毅氏のように外交努力ができるような人は出てこないのでしょうか。
もう“ごらんあれが竜飛岬北のはずれと”とのんきに構えている状況ではなさそうです。