最近、外来でよく見かける光景です。80・90代の患者さんが診察室に入って来られる、その後ろに50・60代の御家族が・・・。「もう足が弱って一人で来られなくなりました。私の母です。」その方もよく見ると私の患者さんです。ああ、この方達親子だったんだと初めて気づくのです。いよいよ2025年問題の始まりなのでしょうか?

2025年問題とは?2025年いわゆる団塊の世代800万人全員が75歳以上、つまり後期高齢者になります。団塊の世代は第1次ベビーブームの時期に生まれ、様々な分野で日本の成長を牽引してきましたこの世代が75歳以上を迎えることで、超高齢社会が訪れます。さらに2040年頃には高齢者人口は3900万人超となり、ピークを迎えるとみられています。

厚生労働省によると、2020年度の介護費用の総額は過去最多の10.7兆円に上った2001年の2倍以上なのです。はやく手を打たないと介護保険制度がもたない、介護職の人手不足も深刻です。岸田首相は“成長と分配の好循環”実現のため、介護職員らの賃金引き上げを掲げています。介護職は大変なのに他産業に比べて賃金水準が低い。どう処遇を改善するのでしょう?報酬引き上げは、保険料引き上げか税負担を増やすのか、いずれにしても国民負担の上昇に繋がるのです。

Prime Minister Fumio Kishida has called for raising the wages of nursing care and other workers as part of realizing a “virtuous cycle of growth and distribution.”
The Japan News

日本の平均年収は他の先進国に大きく差をつけられ、世界の20位にもランクされていません。給与は下がる、負担は増える、国そのものが持続不可になるかもしれません。

さて、冒頭の親子で来られる患者さん、ご関係は様々です。診察室でほぼ口論をされている方、愛を持って面倒をみておられる方、超高齢社会で出来る限り楽しい余生を送るためには?錦野旦さんの歌にありました。

「愛があるなら年の差なんて」

抱いちゃ駄目よと 泣いてすがって
消えた貴女を忘れない
年の差なんて なんで気になる
愛があるなら二人
あゝ 涙のない目で泣いて
貴女と別れた