前に薬膳のところで述べさせて頂いていますが、野菜や野草はなぜ病気に効くのか?それは含有成分であるファイトケミカルによるところが大なのです。植物は生まれてから死ぬまで同じ場所に留まるため、紫外線や毒性のあるガス、有毒な小動物の攻撃にあっても逃げられない。それ故に植物は体内でそうした有毒物を解毒する物質を自ら産生し、保存している。それがファイトケミカルであり、よく知られているところではポリフェノールやβカロチンがあります。「野菜だけで病気を治す」石原結實著
ポリフェノールといえば赤ワイン。原料は黒ブドウで実・果皮・種すべてを一緒に仕込む。ワインの赤色は果皮のアントシアニンに由来しています。このアントシアニンがポリフェノールの一種なのです。欧米人に心筋梗塞が多いのは、脂肪の過剰摂取とされています。ところが同量の脂肪を摂取するイギリス人とフランス人、イギリス人の方が心筋梗塞で死亡する率はフランス人の2.5倍なのです。(フランス・パラドックス)
その理由の1つとされているのが、フランス人が好む赤ワイン、赤ワインに含まれるポリフェノールという抗酸化物質が血液中の脂肪の酸化を防ぎ、動脈硬化や血栓生成を予防するとされています。
さて、神戸大学外科医局にいる頃、国際心臓移植学会でフランス・パリに行った時のこと、もちろん赤ワインのこの効果を知っていたので夕食時に赤ワインばかり飲んでいました。でもその飲む量が半端ではなかった。翌日、同僚とシャンゼリゼ通りの西端にあるエトワール凱旋門の螺旋階段を上り、中2階にある美術館に入った時、頭がくらくらし、嘔気、危うく嘔吐しそうになりました。それ以来残念ながら酒好きの私ですが、赤ワインを好んでは飲まなくなってしまいました。
こうして危ない橋ばかり渡ってきたのが私の人生です。
「オーシャンゼリゼ」は私の好きなシャンソンです。