当院が特に循環器科・呼吸器科の領域で強固な病診連携を築かせて頂いている神戸市西区のみどり病院、その原点は当時の理事長額田勲先生にごひいき頂いた時に遡ります。平成9年に開業した私は訪問診療も標榜し、細々と各家庭を訪問させて頂いていました。思ったより生活基盤の危うい方が多い。室内の温度調節もままならない。冬の極寒、夏の酷暑、訪問する側も覚悟がいる。そんな中、神戸市住を管理されている方から連絡が入りました。“先生、郵便物が溜まっているのでドアを開けたら、室内で亡くなられているようです。”直ちに往診させて頂いて死亡確認したのです。全く身寄りのない方、ああこれが孤独死なのか。額田勲先生の力作 岩波書店の“孤独死”の景色がだぶった瞬間でした。
額田先生は阪神淡路大震災後、仮設住宅に診療所を開設し、患者さん一人一人に寄り添ってこられたのです。ある日、額田先生から御連絡が。“中村先生、NHKスペシャルで在宅医療の特集をするのです。出演してくれますか?”その後全国放映され、当院の在宅医療も軌道に乗ってきたのです。
一人暮らしのお年寄りが急増している今、これからも孤独死と私たちは向き合っていかなくてはならないでしょう。

今もう一つの孤独が…。コロナ禍で20代30代の若者がより強く孤独を感じているといいます。(テレ朝ニュース)

10代大学生 オンライン授業で新しい友達を作るのも大変ですごく孤独
20代会社員 コロナ前、雑談を誰かとしていたのが全くないので孤独
40代会社員 テレワークは便利で簡単になったが、そういう孤独の弊害はより強くなった

さて、私もオンライン診療っていうのは馴染めない。心が通わないからです。
さあ今、多かれ少なかれ誰でも感じる孤独感。どう解消しましょうか。
1つのヒントは私の大好きなシャンソンから。孤独を女友達みたいにしてしまった、ジョルジュムスタキの“私の孤独”です。

でもやっぱり一人じゃない方がいい。天地真理さんの“ひとりじゃないの”です。