イップスという状態があります。
例えばゴルフ、プレッシャーにより体が固まってしまい、ショット・パターが全くダメ等 それが外科医として新人の私を悩ませました。研修病院で初めて大腸の吻合をした時です。指導医の先生から「さあ、お前縫え」私の手は緊張で震えました。「お前と手術をしていたら80のじいさんとしているみたいだ」なにくそと思うとますます震える。そんな日々が約6か月続きました。そして、外科医として普通にできるようになったかなと思った時、米国の留学でした。またイップスがやってきました。
実験で、マッチ棒程のラットの血管を縫う。手が震えてもう無理、チーフの先生から「Hiroomi , calm down!」ああ、もうだめかなと思いながら、なんとかしよう そして試みたことが真冬の冷水マッサージとシカゴの日本商品の販売店で買ってきたろうそくでした。暗い部屋でろうそくの炎を見つめる。そして大きな腹式呼吸でゆっくり長く吐く。これを続けるのです。目を閉じた時、炎の残像が大きく自分の内部で燃え上がる。“なんだよ、こんな小さな世界で生きているんじゃないか”そう自分に言い聞かせました。そして次第に無意識状態に。翌日から同じ呼吸法で実験を続け、やっと震えを克服できたのです。
私も出演し、インタビューを受けた寺谷一紀さんのラジオ関西の番組「寺谷一紀のまいどまいど」にYoutuberのHonamiさんが出演されていました。その著書「大丈夫!すべて思い通り。一瞬で変わる無意識のつかいかた」は今Amazonで1番売れているそうです。様々な難局に直面され、“なんでこんなに不幸なの”と思われていたHonamiさん。潜在意識が書き換われば考え方が変わり、行動が変わるという主旨のことを書かれています。
そして、番組ではピンクの呼吸法を紹介されていました。まず、体の中の毒素を吐き出すイメージで息を吐く、頭の中で優しいピンクに包まれている状態をイメージする。ピンクの空気を吸い込むように息を吸う。ピンクに包まれたら、残っている毒素を吐き出すように息を吐く。体の毒素が消えていく、そしていい方向に意識が向かっていく。呼吸法が人生を変えるのです。
今流行りの動脈血中酸素飽和度、脈拍数をはかるオキシメトリを手指に装着しながら腹式呼吸で呼吸をします。すると長い吐息によって脈拍数が少なくなるのが分かると思います。すなわち、副交感神経優位のリラックスモードに…。呼吸は普段、無意識の中で行っていますが、呼吸を意識的に変えることによって自律神経をコントロールすることが出来るのです。
Deep expiration could bring autonomic nerves under control, thereby leading up to improvement of mental health.