3月11日 東日本大震災が発生してから10年を迎えます。被害にあわれた方には心よりお見舞い申し上げます。私たち神戸も1995年阪神淡路大震災に見舞われました。ほぼ完全に復興した今、その経験は風化しているかのようです。でも、訪問診療をしていると再確認します。神戸市西区の市住・県住では未だに心の傷が癒えず、孤独の中で生活しておられる方がいらっしゃると。
そして今、2015年4月 鎌倉から福島の南相馬に転居し、そして住民として被災地で何ができるのだろうか、決して風化させてはならないと強いメッセージを発し続けておられる方がいます。2020年11月「JR上野駅公園口」で全米図書賞を受賞された柳 美里(ゆう みり)さんです。この物語は現在の南相馬市出身で1964年東京オリンピック前年に出稼ぎ労働者として上野に上京。高度経済成長の後ホームレスとなった男性が主人公で柳 美里さんが一貫として取り組んできたテーマ“居場所がない人に寄り添う”物語です。2014年に刊行されました。
2011年3月12日 東京電力福島第一原子力発電所1号機が水素爆発、そして3号機・4号機も。柳さんは警戒区域として閉ざされる前日から、原爆周辺地域に通い始めました。2012年3月16日からは南相馬市の臨時災害放送局で毎週「ふたりとひとり」という番組のパーソナリティを務められ被災された方数百人とお話しされています。
人と人との交流を大切にされている方であるが故に、2018年4月には書店フルハウスを開店。福島からはコロナパンデミックで復興という話は消えた。そして原発事故に続くマスクと自粛で2度目のロックダウンが来た。だから住民は本の中で生きる他ないのです。
被災者に寄り添うと言いながら、福島はアンダーコントロールと言った前首相、震災が東北でよかったと言った元復興相、その言葉でどれほど傷つけられる方がいらっしゃるか。また、復興という言葉だけでも…。
ご自身が韓国籍であるが故に、自分がなんなのか、アイデンティティがなかなか見つからず、悩んで来られた。今回の一連の活動で、少しずつ解き放たれてきているのを感じるとのことです。
Finally, Yu Miri finds herself unraveled. (Japan News)